THE SWISS FAMILY ROBINSON (Thomas Heath Robinson) - 20世紀初頭の挿絵 -

 Thomas Heath Robinson (1869 - 1953)

 “ AN INVENTOR AND HIS WIFE TRYING OUT A ROBOT ”
 AN INVENTOR AND HIS WIFE TRYING OUT A ROBOT (1927年、インク)
 
 “ The Swiss Family Robinson ” (1920年頃)
 THE SWISS FAMILY ROBINSON 00 THE SWISS FAMILY ROBINSON 01
 (HUMPHERY ・ MILFORD OXFORD UNIVERSITY PRESS ・ LONDON)

 「THE SWISS FAMILY ROBINSON」は、1812年に「Der Schweizerische Robinson」(スイスのロビンソン)として出版されたスイスの牧師ヨハン・ダビット・ウィースによる児童文学作品です。漂流冒険物語であるダニエル・デフォーの「ロビンソン・クルーソー漂流記」を元にしていると言われています。
 初版の発刊当初は4部構成の上下巻でしたが、今日では読みやすく再話が施され「THE SWISS FAMILY ROBINSON」と改題して出版されています。
 冒険をもとにして、様々な自然現象や動物などが登場する物語は人気を博し、映画やテレビドラマなどにもなっています。日本では1981年に「家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ」(日本アニメーション制作)としてアニメ化もされました。ただし、アニメでは主役フローネ(原作では男の子の兄弟のみ)など原作の設定を大きく変更し、完全な原作のアニメ化ではなく原案にとどまっています。しかし、かえってそれが子供にはわかりやすく好評だったようです。

 THE SWISS FAMILY ROBINSON 03 THE SWISS FAMILY ROBINSON 04
 
 トーマス・ヒース・ロビンソンは、1869年6月19日、6人兄弟の長男として生まれました(先日、取り上げましたウィリアム・H・ロビンソンは彼の弟にあたります)。
 彼は、イズリングトン芸術学校で絵画を学びました。画家としての彼の最初の仕事は、1893年のポール・モール・ガゼットのためのイラストでした。その後、1895年に「Old World Japan」の挿絵(14枚のフルページの挿絵と20体の兜の図)を手掛けました。これが彼の本としては初めての出版となります。これは好評を得て、彼は、カッセル・ファミリーーマガジン、 ジ・アイルダー、 ポール・モール・マガジン、ザ・ストランドなどから次々と仕事を獲得します。彼の挿絵画家としての出だしは上々のものでした。1897年の「A Church Magazine for Children」では、弟のチャールズと共作をしています。
 彼は非常に器用な画家であり、水彩、油彩、ペンを問わず、また描く対象も、風景、人物、機械、構造物までオールラウンドにこなしました。

 THE SWISS FAMILY ROBINSON 05 THE SWISS FAMILY ROBINSON 06

 トーマスは、1901年にエディス・エマ・バーネットと結婚します。1906年に、彼は妻と4人の娘を連れてハムステッドからピナー(ミドルセックス)へ移り、彼らは弟のウィリアムの家族と共に過ごしました。
 しかし、それまで順調だったトーマスの仕事は第一次世界大戦の間に激減します。1920年から一家は住まいを転々とすることになりました。 彼は以後も、Collins社、 Cassell社、 Hutchinsons社、 Warne社のいくつかの本の挿絵を製作しましたが、それらの仕事の多くは子供たちの年鑑のための挿絵でした。
 1926年に彼ら一家はピナーに戻り、1940年に妻エディスが死去するまでそこでくらします。妻の死後、彼はセント・アイヴス(コーンウォール)へ移り、そこを終の地とし、1953年、84歳で世を去りました。

 THE SWISS FAMILY ROBINSON 07

 トーマスは普通の画家としての技量は達者な方でした。けれども挿絵画家としては二人の弟に比べ決定的に劣っているものがありました。彼とチャールズ、ウィリアムとの差を指摘するなら、それは装飾とデザインに対する才能だったと言えます。絵の巧拙だけを比すならばトーマスの方が二人よりも上だったでしょう。けれども本の評価は絵の上手い下手のみではなくその意外性や構図の取り方、書籍本体の装丁、頁割り、カットなど総合的なものが求められ、頁の間に単なるきれいな絵画を挟み込む挿絵だけを見せる時代は、とうの昔に過ぎていたのです。

 A CHILD'S BOOK OF SAINTS 00 “ A CHILD'S BOOK OF SAINTS ” 
  (WILLIAM CANTON, LONDON: J M DENT & CO, 1898)

 

 
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