A Child's Garden of Verses (Jessie Willcox Smith) - 20世紀初頭の挿絵 -

 “ A CHILD'S GARDEN OF VERSES ”(1905年)
 (Illustrated by Jessie Willcox Smith)

 A CHILD'S GARDEN OF VERSES(Willcox Smith)00
 (Charles Scribner's Sons, New York, 1905)

 ジェシー・ウィルコックス・スミス(1863 - 1935)は、1863年9月6日 、ペンシルベニア州フィラデルフィア近郊のマウントエアリーで生まれ、1935年5月3日に世を去りました。
 彼女は、ペンシルベニア美術アカデミーでトマス・エイキンズから最初の絵の指導を受け、1888年に卒業しました。その翌年から1893年まで「レディース・ホーム・ジャーナル」に勤務しましたが、画家を目指した彼女はそこを退社し、ドレクセル・インスティテュート・アート・アンド・サイエンスで、当時アメリカで最も著名であった指導者のひとりロバート・パイルに師事しました。
 彼女の才能は急速に認められ「センチュリー・マガジン」「コリアーズ・ウィークリー」「ハーパーズ・マガジン」などで多数の挿絵を描き、1900年代初頭における成功した女流画家のひとりとなりました。
 1958年にソサエティ・オブ・イラストレーションズが「名誉の殿堂」に選出した10名の女性挿絵画家のうち、彼女は2番目に推挙されています。

 ジェシーは生涯独身であり、子供もありませんでしたがその絵の主題は、「A Child's Book of Stories」 (1911)、「Dickens' Children 」(1912)、「 The Everyday Fairy Book」(1915)、「The Water-Babies」(1916)、「 At the Back of the North Wind 」(1919)、「 Boys and Girls of Bookland」 (1923)、「A Child's Book of Modern Stories 」(1920)など残された作品をみるとわかるとおりに「こどもたちの姿」に集中しました。
 彼女の挿絵はこどもに向けたものというよりも、寧ろ感傷的な大人に向けたメッセージが含まれているように受け取れます。懐かしむ、時を悼むという観点からすると「A CHILD'S GARDEN OF VERSES 」は彼女に相応しい題材であったと言えます。

 (Illustrated by Jessie Willcox Smith)01 A CHILD'S GARDEN OF VERSES(Willcox Smith)02

 この「A CHILD'S GARDEN OF VERSES 」は、「宝島」「ジギル氏とハイド氏」の著者であるロバート・ルイス・スティーブンソン(1850-1894)が残した韻律詩です。初版は1885年に発表されて古典詩として大変人気があります。
 初版当時から現在に至るまで、ジェシー・ウイルコックス・スミスのみではなく、イヴ・ガーネット、チャールズ・H・ロビンソン、ターシャ・テューダその他大勢の挿絵画家によって取り上げられています。
 翻訳では1923年(大正11年)に「スティーブンソン子供の詩」(東光閣書店)として福原麟太郎他の共訳で一部が紹介され、全訳版として「童心詩集」(英光社)が刊行されたのは1970年のことです。 

 A CHILD'S GARDEN OF VERSES(Willcox Smith)03 A CHILD'S GARDEN OF VERSES(Willcox Smith)04

 子供の頃のステーブンソンは病弱な体質であまり元気に走り回ることはなかったようです。その幼少時に憧憬を込めて見ていた他のこどもたちの姿やひとり過ごした時のことが30歳を過ぎた彼の心に思い起こされ、アンソロジーとして送り出されました。

 詩集冒頭には、彼の8人目の乳母であったアリソン・カニンガムへの献詩が捧げられています。

 「献辞 - アリソン・カニンガムへ あなたの坊やから」 

 不安と苦しみのなかにあった僕を看病するために、
 寝ずに付き添ってくれた長い夜、
 平坦ではない道行きに手を伸べて、僕を連れて歩いてくれた温かな手、
 読み聞かせてくれたすべての物語、慰めてくれたすべての痛み、
 あなたがかばってくれたすべてに、あなたが運んでくれたすべてに、
 その悲しみも喜びも、あなたとの日々の中にある。
 僕の第二の母、 僕の最初の妻、 幼き日の天使であったばあや
 今では丈夫に育った、当時は病弱だった子から
 この本をあなたに捧げよう。
 
 神よ、この本を読む人すべてが、良い乳母と出会えますように
 明るく輝く炉辺や保育室で、この本の歌に耳を傾ける子供すべてが 
 僕の幼い日を喜びで満たしてくれたのと同じように、
 あの優しい声で歌ってもらえますことを。

 (Illustrated by Jessie Willcox Smith)05

 この「A CHILD'S GARDEN OF VERSES」については無刊記のものが多いですが、初版については扉の裏に、“ Copyright 1905 by Charles Scribner's Sons for the United States of America - Printed by The Scribner Press New York,U.S.A "の記載があります。

 このほかの彼女の特筆すべき作品としては「グッド・ハウスキーピング」誌のカバーイラスト(1917年12月から1933年3月)や、チャールズ・キングズリーの「ウォーター・ベイビィ」(Hodder and Stoughton,, London,1916)のイラストレーションあります。特に後者の出来は素晴らしく、彼女の死後、原画はアメリカ議会図書館に寄贈されました。
 
 water baby wilcox001 water baby wilcox002
 The Water Baby(Hodder and Stoughton for Boots, London)

 


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