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仕掛け絵本『妖精のみつけ方』(C.M. Barker)

妖精の本 扉 “ Complete Book ”  山査子の妖精 「山査子(サンザシ)の妖精」
 
 シシリー・メアリー・バーカー(Cicely Mary Barker)と言うイギリスの女性画家を御存じでしょうか?
 少し年配の方なら「森永ハイクラウン・チョコレート」に妖精のカードが封入されていたのを覚えているかもしれません。
 僕が小学2年生~5,6年生くらいまでだったのでしょうか?確かなことは思い出せませんけれど。
 表はシシリー・メアリー・バーカーの妖精の絵がプリントされていて、裏面には詩が書かれていました。また裏面については詩ではなく、詩集申し込み券、フェアリー・フォトフレーム申し込み券などもありました。
 そういえば(いつも)個人的なことですが、詩集申し込み券を送ったけれど、ついに現品が送られてこなかったのを思い出しました。
 「母さん、僕のあの詩集どうしたんでしょうね。そうあのハイクラウンで申し込んだ妖精の詩集ですよ。あの時、必死で買い集めて申し込んだのに、切手だってきちんと貼ったのに、ついに届かなかったあの詩集です…」的な思い出です。

 糸沙参の妖精 「糸沙参の妖精」 糸沙参 

 話を進めましょう。

 上は、シシリーの最初の妖精詩画集「Flower Fairies of the Spring」の中にある「糸沙参(イトシャジン)の妖精」です(隣の画像は実際の糸沙参)。

 シシリー・メアリー・バーカーは、1895年6月28日、イングランド南東部サリー州クロイドンで生まれ、1973年2月16日に亡くなりました。享年77歳。
 クロイドンとは「野生サフランの咲く谷」を意味しています。なだらかな丘陵地帯であり、かつては英国の玄関となっていたクロイドン国際空港(1915年開港、1959年閉鎖)がありました。
 またサリー州と言えば、古くは1215年マグナ・カルタの批准地であるラニーミードがあり、三国同盟締結(1668年)に奔走し晩年は造園家となったウィリアム・テンプルが造りあげた名庭園ムア・パークがあります。そして、近年有名になった「ハリー・ポッター」の家がある場所としても知られています。
 シシリーが生まれた頃のクロイドンは、工業的発展段階にあった新興都市として開発されていた最中でありました。
 シシリーは小さな頃から体が弱く学校に通うことが出来ず、そのほとんどを家庭教師に頼っていました。
 彼女は絵については、最初、父である版画技師のウォルターの指導のもとで学び、その後、クロイドン美術学校の夜間コースに通い着実に力をつけて行きます。
 1912年にウォルターが41歳で早世した後、独学により絵画と詩の技量を高め、それらを生計の糧とします。
 1917年頃から自然と子どもの関わりあいを主題とした「妖精画」を描き始め、まとまった絵本として出版することを決意します。しかしながら、持ち込む先での出版社から良い返事はもらえず、ようやくのことでブラッキー社が25ポンドで版権を買い取り、第一詩画集「Flower Fairies of the Spring」が1923年に発刊されました。
 この詩画集はベストセラーとなり、以後、夏、秋の妖精、庭の妖精、道端の妖精、アルファベット、木の妖精とシリーズ化されて行きます。彼女の死後に未出版稿を集め「冬の妖精」も出版されました。

 彼女の詩画集については目にする機会も多いと思いますので、後ほどご紹介することにして、今回は仕掛け絵本を取り上げます。

 仕掛け絵本は、ローター・メッゲンドルファー(1847~1925年)が、1878年に自分の子どもへのプレゼントとして「Lebende Bilder(生きている本)」を作ったのが起源とされています。
 アニメ「ダンタリアンの書架」の中でも少し紹介されていましたが、彼の作った「インターナショナルサーカス」は、仕掛け絵本の最高傑作で、1つのタブを引くだけで複数の仕掛けが同時に動いたそうです。この本の仕掛けを超えるものは今もってないといわれています。
 同時代に活躍した仕掛け絵本作家には、他にアーネスト・ニスター(1842~1909年)がいます。

 How to Find Flower Fairy “ How to Find Flower Fairies ” ( Fredrick Warne & Co、2007)

 今回、取り上げた本は原題が「How to Find Flower Fairies (花の妖精のみつけ方)」とタイトルされている本です。
 これはシシリーの死後、彼女の描いた妖精の絵をもとにコラージュした仕掛け絵本です。
 彼女の絵を利用した仕掛け絵本としては最も大掛かりなものとなっています。
 最初に見ていただくのは表紙ですが、表紙の中央に木の洞がありますね。この部分に3Dシールが貼られていて角度を変えると妖精が顔を出します。

 妖精の探し方01-2 木の洞 ⇒ 妖精の探し方01 妖精

 見開きの最初のページの左には1930年に書かれた手紙、右には妖精が写っている小さな古いアルバムが添付されています。
 このアルバム、6ページほどですがちゃんと開けるようになっています。

 アルバム
 
 次のページからポップアップ絵本として仕掛けが施されており、「木の上」「木の根元」「庭」「道端」「沼地」と続き、それぞれのページの仕掛けがあり、その木々の合間、草むらの分け目、水際の岸辺を覗き込むと、そこで生活している妖精の姿を見つけられます。

 妖精の探し方03 「道端」 妖精の探し方04 「沼地」

 最後のページには“ THE SUSSEX HERALD紙 ”の紙面がデザインされ、そこに大見出しで「地元の妖精写真をめぐる論争」と記されています。
 その隣にクラシカルな蛇腹式大判カメラの仕掛けがあり、カメラのシャッター近くには妖精がいます。レンズの先にいるモデルも、もちろん、妖精です。

 妖精の探し方05  妖精の探し方06

 日本語の翻訳版も出ていますが、英語の字体そのものがデザインと一体化していますので、眺めて楽しむと言う意味で洋書版のほうが雰囲気が出ていると思います。

 妖精の探し方07「フラワー・フェアリーズのお話」(上野和子・訳、大日本絵画、2008) 

 今年7月に仕掛け絵本ではありませんが、シシリーの妖精の詩画集をコンプリートした本が出版されました。これにはシシリーの描いた8冊の本の全ての妖精が掲載されています。
 エディション(当てにはなりませんが)入りの限定版ということで装丁も綺麗で、中の絵も1ページに1枚の絵が割り当てられ、見開きで絵の途中に切れ目ができるようなこともなく非常に見やすく配置されています。
 価格が高すぎるのが難点(英国で£100)ですが保存版としてはお勧めできます。
 
 妖精画集 函 箱 妖精画集 エディション エディション 妖精画集 セット内容 

 その他のシシリー・メアリー・バーカーの本については何回かにわけて御紹介したいと思っています。

  
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