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 気がつくと僕は教室にいて、それはたぶん小学校だったと思う。
 教室内には誰もいず、机の上には筆箱や教科書が出したままであったり、椅子の背もたれにカーディガンが掛けてあったりしていた。
 なぜ誰もいないのか。
 得体のしれない怖さを感じ、教卓の前で茫然と立ち尽くす。
 僕は何かを聞き逃してしまい、取り残されてしまったのではないか、そんな不安にかられて。
 懸命に昨日のことを、その前のことを思い出そうとするが何一つ思い出せない。
 それどころか友達の顔も名前も担任の教師もわからなくなっていた。
 それでもとりあえず自分の席につこうと探したのだけれど、一体どこが自分のであるのかもわからず、この辺であろうという場所の机は片付けられていて、空いたスペースの床板が蛍光灯に照らされて冷たく光っている。
 そこで僕は更に自分が大失敗をしていたことに気付いた。
 僕は服を着ていなかったのだ。
 裸のまま学校に来てしまっている。
 何か体を隠すものはないかと焦り、思案し、誰のものかもわからなかったけれど、椅子に掛けられていたジャージのズボンだけをはいた。
 それから人目につかないよう気にしながら、家に帰って服を取ってこようと。
 校舎内は物音一つしない。ただ蛍光灯だけが薄暗く灯っている。
 下駄箱をでると外は夜のような暗さに覆われた雨模様。
 なのに生徒たちは運動会かなにかの行進の練習のために集められている。
 整列していた何人かが僕に気づいたようにも見えたが、誰も僕を呼びとめようとはしない。
 僕はなるべく生徒から離れた校舎の壁際を走って外へ出た。
 校門の外には急な下り坂があり、僕は後ろをちょっとだけ気にしながら歩いていた。
 追ってくる者はいない。
 坂を降り切る直前で、正面の道を折れこちらに向かって来る女の子がいた。
 彼女は高校生くらいに見えるのにウェディングドレスを着ている。
 ヴェールは被っていないので素顔はよく見てとれた。
 誰かに似ている。
 少女とすれ違った瞬間、横顔を見て驚愕した僕は声をあげた。
 佳奈ちゃん!
 声は届かなかったのか、止まりも振り向きもせず、黙って僕が下りてきた坂をそのまま上って行った。
 彼女を追おうとしたが一瞬のうちに坂は掻き消えてしまい、僕は灰色の空間に立っていた。

 
 目が覚めて夢をなぞるように思い返していたら、彼女が亡くなったのは今くらいの時期だったことを思い出したのです。
 何十年も前のことなのに記憶は何かを整理させようとしたのでしょうか。
 そして同じ日の夜、つまり昨夜、17年飼っていた愛犬が死に、ここに越して24年目にして我が家にサルーキが一頭もいなくなりました。
 今も、いつもと同じ姿で横たわっているのに、どれほど大きな声で名前を呼んでも二度と頭をもたげることはありません。
 
 
 
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テーマ : ひとりごと…雑記…きままに
ジャンル : 日記

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