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閑話休題-小笠原和幸とホワイトカレー

 タイトルに詰まると閑話休題という便利なものを棚から取り出してくる癖をどうにかしないといけませんね。
 別に連続したテーマを扱っているわけではないのですから「休題」はないですよね。
 でも、まあ、仕事をすることが日常であるなら、その手をとめている時間を指すということなら許されるのではないかという強引な自己弁護を押し通したいと思います。

 先日の日記でとりあげた小笠原和幸の歌ですが、僕の周りの幾人かから「どういう人なの?短歌らしくないよね?」という話がありました。
 作者自身は岩手県の盛岡市に住んでおられます。僕がいただいた「春秋雑記」という歌集の謹呈箋にもその住所が記載されていました。
 短歌としては確かに変わっていると言えなくもないですね。
 季語などほとんど見えませんし、ひたすらに「生き死に」を詠みこんでいます。
 あざとささえ窺われるその表現は、極めてシニカルに日常の生死を歌にしている。
 それらは自虐的とも諧謔的とも取れますが、じっくり考えてみると作者にのみ起こったことではなく、僕たちの日常でも垣間見られる情景なのです。それを作者はひたすら冷たくとらえて行く。
 底辺にあるのは、やがてくる沈黙です。

 たとえば花の咲く道を歩くことは、普通は生の輝きを捉えるものですが、この人に掛かると夢幻の世界の入り口、夢幻というよりは幽鬼の世界への誘いにも似た情景にかわります。

 寺めぐりするうち迷ひ入りし露地 木槿の花のどこまでかつづく (「風は空念仏」所収)

 お寺をあちこちと廻ってみるうちに道に迷ってしまったらしい。どこかの狭い露地に誘い込まれるとそこは木槿の花が連綿と咲き乱れている。
 歩き回っているうちに異界(あの世)へ迷い込んだのではないかとさえ思えます。泉鏡花の龍潭の書き出しにも通じていますね。
 この句を読んでいると「果たしてこの人物はまだ生きているのだろうか?」、そんな疑問が湧いてきます。

 「春秋雑記」には次のような短歌があります。

 冷え冷えとする夜の居間を通る時 見たまぼろしを団欒といふ

 その家の暗がりを載せ漆黒の 座卓が部屋に放つ光沢

 家庭、家族と言うものはどういう形式であれ無くなることを余儀なくされています。
 子供の巣立ち、離婚、死別など。
 それ以前に、真の団欒などというものはあり得るのだろうか。
 本物の家族、家庭というものはどういうものなのか。
 見たいと思うがゆえに眼前に現れるまやかしでしかない。
 その正体は、研がれたような虚無。
 それもまた無常ということなのでしょうね。

 無常と言えば、しんみりとした墓参りもこの人にかかると視点が変わります。しかも、シニカル。

 生き残りと死に損なひがうるさくて 炎暑の墓地に蝉しぐれする

 うるさいのは蝉ではなく、もちろん生きている人間です。
 
 小笠原和幸という人の作品を見ていると、やはり「これはちがうな」と思います。伝統的な俳句や短歌といったものとは別物ですね。鑑賞のしかたも従来とは違います。この人の作品は一行詩なんですよ。僕はそう思っています。
 単刊の歌集はありますがいずれも絶版。2003年に邑書林からセレクションされたものが発行されています。比較的手に入り入りやすいので一度お読みになってみてください。

 小笠原和幸歌集

 ところで僕は喫茶店が好きで打ち合わせの時もちょこちょこ言い訳を見繕っては入り込みます。
 特に神保町界隈には特徴のある喫茶店が多く、訪ね廻ってみるのも楽しいので。
 本と喫茶店、これ以上の組み合わせはないかもしれませんね、僕的には。
 基本、お店はあまり公表しないのですが、たまーに日記で取り上げることがあります。取り上げるときは事前にお店の方の了承を得るようにしています。得られていない時には、申し訳ありませんが仮称で記載させていただき、後日、了承が得られてから名前を修正しております。

 ということで、神保町の三省堂の近くにホワイトカレーのお店があるのはご存知ですか?
 前に取り上げた「ラドリオ」のはす向かいにあるお店で「チャボ」と言います。こじんまりした店内は10人も入れば息苦しくなるほどです。けど、その狭さがいい。
 キッチンが目の前なのでクーラーなどもとから役に立たず、炎暑には汗だくになってしまうけど、カレーを食べながら汗をだす。それもまたいいんです。
 カレーはスパイシーなクリームシチューといった感じですが、その味わいの優しいところが気に入っています。大盛にすれば食べごたえもあります。ミニサラダと飲み物は込みになっているのでお財布にも優しく出来ています。焼きホワイトカレーというものあり、僕のお奨めのエビホワイトカレーは限定食になっているのでご注意を。

 チャボ店頭 チャボ・ホワイトカレー チャボ店内

 
 

 

 

 
 
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団欒のまぼろし、やばいですね。
グサッと突き刺さりました。
興味が湧いたのでAmazonで購入しました。今日届くので仕事終わるのが楽しみです。時間ないときAmazon便利だけど、また神保町うろつきたいものです。

偕誠 様

> 団欒のまぼろし、やばいですね。
> グサッと突き刺さりました。
> 興味が湧いたのでAmazonで購入しました。今日届くので仕事終わるのが楽しみです。

Amazondでみつかりましたか。あまり出回ってないので良かったです。
小笠原和幸の短歌は不気味さというか、残酷さというか、そういう雰囲気が漂っていますね。
作品の巧拙はわかりませんが、僕は好きなんです、こういうの。

>時間ないときAmazon便利だけど、また神保町うろつきたいものです。

本屋街をぶらぶらしているのは楽しいですよね。ただ仕事勤めをしていると思ったように時間がとれないのが欠点です。
収入と自由とを引き換えにしてる分、仕方ないですよね。
お時間があったら一緒にお茶でも飲みたいですね。

いつもありがとうございます。

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