別府葉子さんの歌「六月の雨」

 別府葉子さんのオリジナル・アルバムが出たらブログに書こうと思っていたことがありました。
 「六月の雨」という歌についてです。
 作詞作曲を別府さんが手がけています。
 メロディの美しさと、思い出を抱きかかえてくれるような抒情的な詞が印象に残る歌です。
 ニューアルバムはまだ出てはおりませんが、別府さんのブログにアップされていますので聴くことができます。
 一度、お聴きになってください。

 初夏の雨にうたれる紫陽花に愛しい人の面影を重ね、たとえ離れていても思いは変わらないことが綴られています。

 雨だれが打つ鐘の音は時の過ぎゆく音なのでしょうか?まだ心に残る恋の鼓動なのでしょうか?或いは、静まろうとする面影を眠りから呼び覚ますための、記憶の揺り籠の歌なのかもしれません。

 雨に濡れたあと紫陽花が陽光を浴びて輝くのは、出会えた喜びの笑顔なのでしょう。
 この花に「心変わり」なんて花言葉をつけた人は誰ですか?恋の色は時とともに移り変わっても輝きを忘れてはいないのに。

 雨が上がって雲の切れ間から射し込む光は、きっとその人に思いが伝わった証なのです。

 夏の庭の片隅にある小さな秘密を小声で話している、そんな雨あがりの風が吹いてくるような歌です。

 そして、僕の昔話を。
 
 …朝顔のつるを指にまきつけ覗き込む。
  小さなてんとう虫が羽広げた。
  麦わら帽子を太陽が照らす。
  今日もまた暑い一日になるかな。…
  (「六月の雨」別府葉子・作詞)

 遠い昔、本当にこのような場面がありました。
 このフレーズを耳にした刹那、あの夏の日に僕が落としてきてしまった記憶を聴いたような気がしました。

 僕は子供の頃、土に埋めるのが好きでした。これは僕に限らず子供なら誰しもかもしれません。
 いろいろなモノを埋めました。
 ビー玉、メンコ、人形、宝物だった綺麗な石。
 舞い落ちた花びら、千切ってきた草花。
 死んでいたカブト虫、セミ、モンシロチョウやカナヘビ。
 それから、飼っていた金魚、可愛がっていたヒコヨ、縁日で買ってもらったヒメウズラのひな。
 僕の手の中で動かなくなってしまったものたちを泣きながら埋めました。

 大切なものだから土に還してしまいたかった。

 それは四季それぞれにあったことなのだけれども、僕にはそれらの全てが夏の印象に彩られています。
 照りつける太陽、蒸せるような草いきれ、渦を巻くような蝉の声、小さな赤いシャベル、緑色のポリバケツ。
 
 軒端に絡み付いた朝顔の弦。紫、ピンク、青や白の丸い花。
 絞り模様の朝顔の間から覗き見た裏庭で遊んでいた女の子。
 僕が傷つけてしまった子。
 謝ることもできず、気にかけたまま、黙って見ているしかなかった女の子。
 僕がかぶっていた麦わら帽子には、その子からもらった空色のリボンがまいてありました。
 
 そして、その子が引っ越していってしまった日。
 僕はそのガランとした空き家になってしまった裏庭、タチアオイの根元近くにリボンを埋めました。
 真夏の蒼天にまっすぐに背を伸ばして咲く花に寄せれば、いつかあの子のところに届くと思いたかったのでしょう。

 自分のものではないのに、誰かがつくった歌が、まるで自分のことのように思えて、ふっと耳を塞ぎたくなってしまうことがあります。
 先日のコンサートでこの歌を聴いた時、僕は胸が締め付けられて目を閉じることしかできませんでした。


 「六月の雨」 別府葉子

 六月の雨に濡れ、紫陽花が泣いてる。
 青い花びらに露を受け止めて。

 思い起こせば夏の思い出はいつもあなた、
 赤い火灯(ほおずき)を鳴らして歩いてた。

 空に天の川、笹船流した。
 手をつないで見た金色の花火。

 Ding Ding Dong , Ding Ding Dong

 風は運ぶ

 Ding Ding Dong , Ding Ding Dong

 雨の匂い。


 朝顔のつるを指にまきつけ覗き込む。
 小さなてんとう虫が羽広げた。

 麦わら帽子を太陽が照らす。
 今日もまた暑い一日になるかな。

 Ding Ding Dong , Ding Ding Dong

 雲の晴れ間。

 Ding Ding Dong , Ding Ding Dong

 目を細める。
 
 Ding Ding Dong , Ding Ding Dong

 花影にあなたの笑顔。


 桜の花を揺らす風が、いつか向日葵を吹き抜けて、
 色づくもみじ流れる川が雪に凍りつくころも、
 いつもあなたを、いつも想ってる。
 
 六月の雨あがり、紫陽花が輝く。
 虹色の花がきらめいて揺れる・・・。


 
 
 
 
  

 
 
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