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せがわ真子「ときめいてパコ」

 「ときめいてパコ」

 ときめいてパコ1 第1巻(秋田書店、昭和57年11月初版)

 明るくてかわいいパコが中心の式部家に、ある日、父の友人の東山教授の息子・トキオが加わることになった。
「トキオはパコの婚約者だよ…」父の言葉にびっくりのパコだったが、何とそのトキオがパコの家に来る途中、交通事故で行方不明になってしまった。そんなときパコの前に現れたのがトキオそっくりの転入生・本荘卓巳(タク)…。ひと騒動のすえ、別人であることがわかったけれど、なぜか、もうひとつしっくりこないパコなのである…!?

「ときめいてパコ」の第2巻にある「あらすじ」をそのまま引用しました。ちょっと書き加えますと。パコのお父さんは化学者で新薬(未来薬)の開発研究をしています。パコとトキオは幼馴染であり7歳のころに、ままごと遊びで婚約者になりました。それを両親たちが真に受けて、東山教授の海外赴任を機に婚約者として同居することになったのです。

 ときめいてパコ2 第2巻&3巻(秋田書店、昭和58年3月&10月初版)

 せがわ真子さんは「小学生のころ、ジュニアSFと呼ばれる種類の話が大好きで、夢中になって読みました。スペース・オペラのように大宇宙に想像の域を拡げるのと異なり、これは舞台が私たちの身近な町であり、通っている学校。そして級友に未来人がいたり宇宙人がいたりする。主人公の少女は、少年に負けず劣らずりりしくて、活発で、冒険をしたり恋をしたり。今もわくわく想像にひたりつつ描いています」と、コミック化当時にコメントしています。
 宇宙船の事故によって散り散りになった仲間を探す宇宙人。その宇宙人に姿を写し取られたトキオ、パコの友人でライバル製薬会社令嬢の加納かおり、宇宙船の乗組員を統括している「マザー」、タクの同僚(宇宙人)の林信也(ノブ)、教授とよばれるインコ、ムーという名の小さな男の子が入り混じって、ラブ・ロマンスを本線に置き、集団洗脳事件や新薬開発の陰謀などが学園を舞台に展開されて行きます。

 これまでのせがわ真子さんの作品と異なるところは一話完結ではなく、連続しているということでしょう。初期設定を丁寧に保ちながら、トキオとタクの関係を少しずつ「記憶の遡行」をヒントに読者に開示していきます。また、人間との関係を嫌い、接触をさけていたタクが次第に「人間らしく」なっていく過程や、管理される生き方に疑問をもち自分の力を試そうとするノブ、あくまでも規律にしたがい彼らを統制しようとするマザーの対比が明確に表現されています。惜しむらくはラストでパコを救うマザーの心境の変化(迷い)を何らかの形で折り込めると良かったと思います。
 
 ときめいてパコ3 第4巻&5巻(秋田書店、昭和59年4月&6月初版)

 「ラブ・ストリート」の終盤で一人物に注目し連作短編形式でその変化を追う手法をとっていましたが、この作品で長編ストーリーでも力を発揮できることを示したと思います。ただやはり最終回のありかたですね。一足飛びというか…。読者によって見解はわかれるでしょうが、僕は今一歩納得できないものがありました。

 ちなみに第5巻には、「プリンセス昭和54年4月号」に掲載された「ロマンチックな火星人」(トット・シリーズ)と同じく昭和58年11月号に掲載された「青い鳥おっかけて」が収録されています。


 「びっくり・サラダノート」

 びっくり・サラダノート1 第1巻(秋田書店、昭和60年3月初版)

 「ときめいてパコ」で長編作品に才気をふるった作者が、また少し違った手法で連載にのぞんだ感じのする作品です。

 形式は一話完結ですが、主人公・茨木夏央の精神的な成長を追った物語です。

 物語の動機は少女漫画らしい突飛なものですし、主人公が下宿する先の三兄弟はいずれもスポーツ万能、かつ、眉目秀麗で女の子たちのアイドルという特徴的な設定は健在です。
 しかし、いままでの作品に見られたストーリーの進行の性急さが抑えられ、恋に対する感情をゆっくりと前後しながら主人公に気づかせるように描かれています。その分、せがわ作品にあったテンポの良さが失われた感じがしますが、全くそうではありません。むしろ幼い少女の憧れといった恋から、少しおとなに近付いた少女の恋へとその描き方が心理的な面で動から静へと変化しているように受け取れます。
 
 「手を加えて凝ったお料理もいいけれど、さまざまな素材が、洗われただけでそのまま、大皿に盛られたようなサラダが大好きです。さまざまな人と、いっしょになって過ごした中学から高校時代は、私にとってとても楽しいサラダ時代でした」と序にあるとおり、視点を絞った良さがでていると僕は思います。

 この作品で非常に残念なのが「未完」で中断されてしまったことでしょう。
 「第13話・スリラー・サマー」で夏央が「真実の恋」と「恋への憧れ」との違いに漠然とながらも気づきます。しかしそれがどうであれ、現在の自分は心から相手(彼)の幸せを願い、それが自分の幸せな気持ちにつながっているのだと自覚するところで終わっています。最終話があるようですが単行本未収録となっているようです。機会があるならば是非とも完全版で読みたい作品です。

 びっくり・サrダノート2 第2巻&3巻(秋田書店、昭和60年9月、昭和61年4月初版)
 


  -つづく?-



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