スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ちょっと余計な話 ‐ 荏柄天神 ‐

 先月はブログを更新できませんでした。今月はもうすこしまともに書いてみようかと思っています。
 梅雨が明けるかどうかの数日、空を見あげたら堂々とした積乱雲があり、「夏っぽくなってきたな」と。そしたらいつの間にか8月になっていました。

 とりあえず8月の最初に鎌倉の荏柄天神での思い出話を書いてみました。
 書き始める前は、もっとはっきり覚えてると思っていたのに、いざ書き出したら抜け落ちている記憶が多いことに戸惑いました。
 まず思い出せなかったのは、当日の彼女の服装です。自分の服装すら覚えてはいなかったので当然なのかもしれないけれど、これが一番意外でした。
 でも、冷静になって思い返すと、当日は非常に緊張していて彼女をまともに見ていなかった自分がいたことに気づかされます。
 女の子と一対一で出歩くなんて初めてのことでしたし、僕には彼女を喜ばせるようなお膳立てをする器量もなかったので仕方ないとは思っています。
 
 荏柄天神自体について本文では触れていなかったのでちょっとだけ書き添えておきます。

 荏柄天神の縁起によると、昔、このあたりの農夫が荏柄(えごま)を刈って干していると、天神様の画が天空から降ってきました。これを祀ったのが現在の地であり、その画が降りてきた場所が大銀杏の植えてあるところだそうです。

 荏柄天神は頼朝の代には既に建立されていたと言われています。また鎌倉の鬼門の方向にあたり、都を災厄から守るため頼朝以下の守護者によってかなり力をいれられ保持されてきたようです。それは頼家が鬼門の鎮神として、菅原道真の三百年忌をここで執り行ったことからも察せられます。
 残念なのは度重なる火災のため、そのほとんどが焼失し、今ではその威容を偲ぶことが難しくなってしまったことです。唯一、大銀杏を除いては。

 鎌倉幕府の公文書である「吾妻鏡」には次のようなエピソードが残されています。

 三代将軍実朝の時代、幕府に対するクーデターを画策した罪で渋川刑部兼守という者が連座させられました。彼は死罪を申し付けられるのですが、自ら冤罪を訴えるその苦衷を十首の和歌に託し荏柄社頭に奉納しました。
 兼守の歌は、折よくこの社に参籠していた工藤祐高の手に渡り、実朝の元に届けられました。実朝はその和歌に込められた思いに心打たれ、ついに兼守の罪を許しました。
 三浦一族や護良親王など悲壮な物語の多い鎌倉では、何とはなしにほっとさせられる話です。
 このエピソードは広津桃子さんの心もとらえたようで「鎌倉花模様」の中にあるエッセイにもおさめられています。
 因みに荏柄天神を出て大塔宮通りを渡って金沢街道を杉本寺方面へ向かう途中、四つ石川(二階堂川)に「歌の橋」という小さな橋が架かっています。この橋は死罪を免れた渋川刑部兼守が後に報恩のために架けたと伝えられています。

 僕は彼女に連れられて荏柄天神を出た後、小島政三郎、深田久弥の旧居を経て杉本寺、報国寺へと行きました。さらに青砥橋まで歩き、そこのバス停から鎌倉駅へ戻り、小町通り界隈にあった立原正秋所縁の「松の木」と言うお店でお茶をしてから彼女と別れました。

 今更ながら鎌倉と言う町も随分と変わりました。あの頃に立ち寄った喫茶店のほとんどはなくなってしまっていますし、社寺の多くも改装改築されて趣を変えています。

 そして思い出されるのは彼女のこんな一言です。

 「鎌倉に住んでいる人は17万弱。そこに年間二千四百万人もの観光客が訪れる。平均すれば六万五千人が一日にやってくるの。人口が1.5倍近くになるのよ、この狭い町で。休日にでもなれば家の近所でも、行き合う人は見なれた町の人ではなく、その多くは旅人だわ。」

 あの時、彼女はそう言ってミルクティにスプーン半分の砂糖を入れて掻き回しながら微笑みました。





 
 
スポンサーサイト

テーマ : ひとりごと…雑記…きままに
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

otosimono

Author:otosimono
全く役に立たない独り言です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitleカレンダーsidetitle
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle
sidetitleブロとも申請フォームsidetitle

この人とブロともになる

sidetitleQRコードsidetitle
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。